ファミリーレストランのセルフレジと満足度データ
フードサービス シニアアナリストの東(あずま)さやかです。
ファミリーレストランのすかいらーくが、セルフレジの本格導入をするというニュースがありましたね。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ23H63_T20C17A5TI1000/
都内の3店舗で試験的に導入していたが、混雑する昼食時の会計の待ち時間短縮などの効果を確認できたことから、5月下旬から都内や神奈川、埼玉のビジネス街や繁華街などにある18店舗に新たに導入するそうです。
この試験導入の報道の際、ライフスタイル解説ニュースサイト”オトナンサー”に私のコメントとCRESTのデータが掲載されました。
「ファミレス初の「セルフレジ」は業界に何をもたらすのか すかいらーくGが試験導入」
CRESTのデータによると、ファミリーレストランの「接客に対する満足度」は
2015年54.9% から2016年51.8% で2.9%減少しています。
ファストフード・セルフカフェの満足度は、2016年49%ですから、セルフサービス業態の接客に対する満足度に近づいていっています。
日経新聞の記事によると、すかいらーくの試験導入したセルフレジは3店舗平均で全会計の10%ほどで利用され、客の待ち時間が平均で約30秒短くなったといいます。
待ち時間の短縮=満足度の向上 と 接客への期待度と満足度のギャップが、利用全体の満足度と再利用意向にどれだけ影響を与えるのか、今後注目です。
10%ほどの利用であれば、急いでいてセルフレジ利用のメリットのある客だけが利用すればよいのですから、この人たちの満足度は上がるわけで、接客を求める人は従来のサービスを利用できるのですから、全体として満足度の向上につながるとも考えられます。
また、お会計の待ち時間だけでなく、フルサービスの場合はお会計に人手が回っている間に、オーダーや案内、サーブといった他のサービスへの遅滞も招きます。人手不足の現状ではなおさらです。いかにバランスをとって、サービスと満足度の向上につなげるかが重要ですね。
マクドナルドやモスバーガーは、今夏よりクレジットカード・交通系電子マネー対応のPOSシステムを全店に導入すると発表しています。セルフサービスカフェは、オーダーと会計が同時なので、会計に人手をわざわざとられず、かつレジがたくさんあるのでセルフレジではなく、支払方法の変更だけでベネフィットがあります。
消費者にとっては、選択肢と利便性が向上して、満足度が上がりそうですね。
*CRESTでは、外食市場規模、ファミリーレストランの市場規模等の他、チェーンごとセグメントごとの満足度や再利用意向も把握可能です。
*CRESTとは・・・外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。
(世界13ヶ国で実施)
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html