会社員の平日ランチ 中食・個食・短時間傾向が鮮明に
こんにちは。フードサービス部クライアントサービスの藤井です。
度重なる時短営業・酒類提供停止の影響で、飲食店では、夕食以降の収益が見込めない苦しい状況が続いています。こうした事態が長期化する中、ランチでの集客に活路を見いだそうとするお店も多くなっています。
平日(仕事がある日)の昼食でメインとなる会社員*がコロナ禍でどのような形で食事を摂っているか、エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス『CREST®』から見てみましょう。
2021年1-6月において、比率の高い順にみると、
一人で、職場で食べる中食*・・・27%(対2019年比で3pts増)
一人の外食・・・16%(同2 pts減)
同僚と、職場で食べる中食・・・12%(同1pts減)
となり、コロナ前から最も大きな比率を占めていた職場での一人中食の比率が一層高くなっています。
次いで、
一人で食べる社食・・・10%(同3pts増)
同僚と食べる社食・・・9%(同3pts減)
となり、社食においても同僚との利用が減る一方、一人での利用が増加しています。
さらに、
同僚と食べる外食・・・6%(同5pts減)
一人で食べる家の中食・・・6%(同3pts増)
となり、同僚との外食が大きく減少している点が、コロナ前と比べて、最も大きな変化となっています。また、在宅勤務により自宅で一人で中食を食べる人の増加も見られますが、その比率は6%と小さく、夕食で4割に達しているのと比較すると、限定的となっています。
総じて、外食よりも中食、複数人よりも一人の傾向がより強まっています。
では、食事にかける時間についてはどうでしょうか。
会社員の平日(仕事がある日)の昼食の中食では、もともと食事にかける時間が短く、15分以内という人が58%を占めており、コロナ前後で大きな変化は見られません。
一方、会社員の平日(仕事がある日)の昼食の外食では、15分以内に食べる人が44%となり、コロナ前の2019年と比べて5pts増加しています。この傾向は男女ともに見られますが、もともと時間をかけて食事をしていた女性層で、7ptsと大きく増加しています。30分以内に食べる人は、男性で89%、女性で75%に達し、外食でも多くの人が平日のランチを短時間に済ませていることが分かります。
このようにコロナ禍では、会社員の平日の昼食は一人で、短時間に、職場で食べられる傾向が強くなっています。飲食店においては、一人客が利用しやすい空間や、注文・食事(受け取り)・会計が素早くできることがこれまで以上に重要になってきていると考えられます。
注釈)
*会社員には公務員を含む
*中食は、販売店以外の場所で食べる食事を指し、コンビニ、スーパー、飲食店のテイクアウト(デリバリー含む)等が含まれる
プロフィール:
フードサービス事業部 藤井 真理子
市場調査会社を経て、2005年にNPD入社。食品メーカー、流通チェーンを担当。