1人暮らしの外食・中食支出は増加
2022/11/07
フードサービス シニアアナリストの東(あずま)さやかです。
物価上昇で外食業界には強い向かい風が続いています。値上げによって消費者にはどのような変化が起きているのでしょうか。
エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス『CREST®』で、外食・中食の客数を見ると、2022年8月時点で、子供連れの外食機会のコロナ影響からの回復が鈍いことがわかりました。さらに深堀して分析してみると、コロナの影響だけではなく、値上げの影響で、子供連れが減少していることもわかりました。4-7月の外食・中食全体への支出を世帯状況(子供ありなし×世帯人数×年収)で見てみたところ、2021年より大きく減らしているのが、子供のいる年収700万円未満の消費者で、コロナの影響で最も支出が減った2020年4-7月に匹敵するほどの減少率でした。
一方で、コロナ前より支出が増加している層もありました。それが一人暮らし世帯の人で、2022年4-7月は2019年同期と比べ1%増加していました。飲食店での利用状況を見ると、イートインでもテイクアウト・デリバリーでも1人で食べる機会での利用が最も好調です。個食向け、一人世帯向けのサービスやテイクアウト商品を消費者に提案していくことに商機がありそうです。一方で、子供連れには、お得感を感じる施策が有効かもしれません。