<スポーツアパレル・シューズ市場 調査レポート>米国2016年スポーツシューズ市場成長鈍化 成長率3% クラシックカテゴリーは躍進
国内の市場規模と消費者購買情報が分かるスポーツアパレル・シューズ市場情報サービス『Japan Sports Tracker*1』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:トーマス・リンチ)はこの度、NPDグループによる米国スポーツシューズ市場についての調査・分析を紹介します。
NPDグループのトラッキング市場調査によると、2016年米国スポーツシューズ市場は175億ドル(1.9兆円)規模で成長率は3%。販売個数も3%の成長で、平均価格は横ばいの60.81USドル(6,689円)でした。
第1~3四半期はいずれも拡大したものの、第4四半期に縮小したことにより成長率はやや鈍化。例年ならばクリスマス休暇もある第4四半期はスポーツシューズの売上も一番大きくなる時期です。
米国スポーツシューズ市場は10年以上もの間4%前後の成長率を保ってきましたが、2016年はそれをやや下回る結果となりました。しかし「米国スポーツ用品小売り事情をみると、これは納得のいく結果」とNPDのスポーツ業界アナリストMatt Powellは語ります。Mattは、「スポーツオーソリティやスポーツシャレーのような大手店舗の倒産は業界にとってショッキングな出来事で、第4四半期への最も大きな打撃となりました。17年の第1四半期にもこの打撃は続くと思われるが、一連のマイナス要因が片付けばまた元に戻るでしょう」と指摘します。
小売りへの逆風を受け、スポーツシューズ販売の50%をしめる最大チャネルであるスポーツ用品専門店での2016年売上成長率は2%にとどまりました(2015年は8%)。最も好調だったのは靴チェーンで成長率は7%でした。百貨店は伸び悩み1%でした。
カテゴリー別での進捗を見ると、クラッシックカテゴリーが44億ドル(4800億円)規模、26%成長率で2016年のスポーツシューズ市場を牽引。トレンドは機能性追求型からレトロスタイルに移っており、クラッシックカテゴリーの売上は過去3年間で17億ドル(1900億円)伸びています。例えばクラッシックカテゴリーのランニングスポーツシューズは2016年に36%と躍進したが、機能性追求型のランニングスポーツシューズは昨年並みでした。また、バスケットシューズカテゴリーについても同様で、機能性追求型のバスケットボールシューズは売り上げが数年ぶりに減少しましたが、クラシックなバスケットボールシューズ風のシューズは27%と大きく成長しました。これは過去に例のないことです。2年間売上減少していたカジュアルスニーカーは、クラシック回帰の恩恵にあずかり2016年の成長率は11%と躍進しました。
NPDグループ スポーツ業界アナリストMatt Powell氏のコメント
レトロ回帰は顕著なファッショントレンドですが、これに乗ろうとしても簡単に成功できるわけではありません。競争はますます激化しているし、ブランド各社は常に新しさを求められています。差別化を図り競争の先頭に立ち続けるためにブランド各社が追い求めるべきなのは、製造側に立ったイノベーションです。スピード感と持続性を大切にしたイノベーションへの取り組みは、ファッショントレンドがどこへ行こうとも変わらず価値を持ち続けるものであるからです。
NPDジャパン スポーツ業界アナリスト河端 香織氏のコメント
日本の2016年スポーツシューズ市場成長率は12%と大変好調でした。中でもライフスタイル(普段使いを目的としたいわゆるスニーカー)の成長が市場を牽引しており、ここ数年、各メーカーがかつての名作スニーカーに最新のクッション技術などを加えた復刻版を発売し、セレクトショップや雑誌でも数多く取り上げられています。しかしこれは単なるレトロ回帰で片づけるよりは、スニーカーのファッション性や履きやすさが認められた中で、かつての名作スニーカーにもスポットがあたったと見るべきでしょう。
*Source: The NPD Group, Inc. / Retail Tracking Service, Annual 2016
*1 Japan Sports Tracker
スポーツアパレル・シューズ市場における全国の消費者購買行動を時系列で把握できる日本で唯一の消費者パネルデータベースです。市場のトレンドやビジネスチャンスを特定し売上を伸ばすために必要な、製品トレンドと消費者動向について包括的な情報が得られます。カテゴリー、ブランド、アイテムレベルで自社製品、競合他社製品のパフォーマンスを分析できます。
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