<外食・中食 調査レポート>2019年第4四半期動向、外食テイクアウト2%増、小売イートイン18%減、消費増税と軽減税率適用で
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、トーマス・リンチ代表)は、外食・中食市場2019年第4四半期(10-12月)の動向分析レポートを2020年2月25日に公表します。また、外食・中食市場の動向を分析・解説する無料セミナーを2020年3月23日(月)に開催します。
本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。外食・中食市場の2019年第4四半期の市場規模は5兆3385億円で対前年同期比0.4%減少しました。業態別では、ファストフード+セルフカフェの食機会数が増加しました。また、食機会別の伸び率を見ると、午前間食のみが伸長しました。利用形態では、外食業態のイートインは3%減、同テイクアウトは2%増、同出前は1%増でした。小売のイートインは18%減と激減しました。
外食・中食市場の四半期市場規模は5兆3385億円で0.4%減
外食・中食市場全体の2019年第4四半期の成長率(図表1)をみると、客数(食機会数)が対前年同期比2.0%減少したことで、売上(市場規模)は、5兆3385億円で同0.4%減となりました。客単価は、同1.5%増でしたが、消費増税前の4-6月期の1.9%増、7-10月期の1.9%増より増加率は低くなりました。消費増税による節約志向の高まりで、特に外食(購入した場所で喫食、軽減税率適用外)の客数が3.4%減と大きく落ち込みました。
ファストフード+セルフカフェの客数のみ増加
主要業態別の食機会数の成長率(図表2)をみてみると、全体の27%を占めるシェア1位のスーパーマーケットの客数(食機会数)が引き続き大幅な減少となりました。ファストフード+セルフカフェは、消費増税前からの価格を据え置いたり、イートインとテイクアウトの税込み価格を同一にしたりなどの企業が多いこともあり、唯一プラスとなりました。
午前間食のみ増加、朝食はマイナスに転じる
食機会別の食機会数成長率(図表3)をみると、午前間食のみが+2%のプラス成長で、成長が続いていた朝食は-2%とマイナスに転じました。節約志向の高まりで、専業主婦と14才以下の子どもがスーパーの中食を利用した朝食を減らし、内食へシフトしたことが原因と考えられます。成長が続いている会社員の朝食は今期も2%増加しました。
外食テイクアウト2%増、小売イートイン18%減
外食業態、小売業態別に、イートイン/テイクアウトの食機会数の前年同期比をみると(図表4)、外食業態のイートインは3%減でしたが、テイクアウトは2%増、出前は1%増でした。ただし、外食業態では75%の食機会数をイートインが占めていますので全体としては1.8%減でした。一方、コンビニやスーパーなどの小売業態では、食機会数の3%を占めるイートインが18%減と大きく落ち込みました。
消費増税後の節約志向の強まりは、前回増税時の状況から見て、1年は続くと思われますが、幸いフードサービス業界では、軽減税率やキャッシュレスポイント還元など、前回増税時にはなかったビジネスチャンスが多くあります。キャッシュレスや、事前注文アプリ、共通ポイント、サブスクリプションなど、今の消費者のニーズに合ったサービスをタイムリーに提供していくことや、新成長領域(外食のテイクアウトや出前)の強化と同時に、比率の高いコアビジネス(外食ならイートイン、小売ならテイクアウト)を強化、維持していくことが重要です。外食でも小売でも「体験」価値、「価値の提案」を店舗で提供していくことが成功につながるでしょう。
※本分析の詳細をもっと知りたい方へ
「外食・中食マーケットトレンドセミナー2019年第4四半期編」3月23日開催決定
本分析を含めた外食・中食市場全体及び主要業態(ファストフード+セルフカフェ、ファミリーレストラン、居酒屋、コンビニ、スーパー)の2019年第4四半期の動向について分析・解説するセミナーを、3月23日(月)午後3時10分より品川にて無料で開催します。
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*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
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