<外食・中食 調査レポート>2021年5月の市場動向、外食・中食売上は2019年同月比26.3%減 出前(デリバリー)は2019年同月比159%増
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表)は、外食・中食市場2021年5月の動向分析レポートを2021年7月8日に公表します。
本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2021年5月の外食・中食市場は、2019年5月比で売上が26.3%減少しました。前月の4月末に始まった緊急事態宣言が延長し、再びマイナス幅が大きくなりました。全業態計イートイン売上は5月に同52.3%減で、4月より8.4ポイント減少しました。出前は、5月の売上が2019年同月比で159%増と、最も伸長した2020年5月に次ぐ大きな伸びが見られました。
外食・中食市場の2021年5月は、売上26.3%減(2019年同月比)
外食・中食市場全体の2021年5月の2019年同月比(図表1)をみると、売上(金額市場規模)が26.3%減少、客数(食機会数)が16.6%減少しました。感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模41.9%減でした。5月37.7%減、6月23.6%減、7月19.4%減、8月19.8%減、9月17.5%減、10月8.9%減、11月12.4%減、12月19.2%減。2021年は1月26.3%減、2月24.4%減、3月21.9%減、4月23.7%減、そして5月に26.3%減(いずれも2019年同月比)と同年1月と同水準まで減少しました。
全業態計イートインは52.3%減で3月より5.6ポイント減
業態別・利用形態別の5月の売上2019年同月比をみると(図表2)、外食・中食全体のイートインは52.3%減で、4月の同43.9%減から8.4ポイント減少幅が大きくなりました。業態別では、FF+セルフカフェのイートインは同39%減、ファミレスのイートインは同43%減、居酒屋のイートインは同91%減、その他のフルサービスレストランのイートインは同53%減でした。テイクアウト・出前は、FF+セルフカフェで同73%増と、15カ月連続の2桁成長となりました。
出前(デリバリー)は159%増で、2020年5月に次ぐ大きな伸び
外食業態計(レストラン計)の売上2019年同月比を利用形態ごとにみてみると(図表3)、出前(デリバリー)の大幅増が続いており、2020年4月は28%増、5月は204%増、6月は104%増、7月は75%増、8月は23%増、9月は44%増、10月は39%増、11月は68%増、12月46%増、2021年1月は81%増、2月132%増、3月46%増、4月49%増、そして5月は159%増(いずれも2019年同月比)と第1回緊急事態宣言期間の2020年5月に次いで大きい伸長でした。
エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストである、東さやか(あずま・さやか)は、今後の展望について、次のように話します。「6/20の緊急事態宣言解除で、7月は一旦市場のマイナス幅減少が見込まれますが、急回復はないと思われます。すでに感染拡大傾向が見られ、7/23-8/8に行われるオリンピック終了後のお盆期間に再度緊急事態宣言となれば、再度市場は後退が見込まれます。また、USでは、ワクチン2回接種率が4月末に30%、5月末に40%で、4-5月に外食中食利用者率がコロナ前と同レベルに回復しました。日本では6月末時点12%で、30-40%に達するのは早くとも9月以降とみられ、それ以降徐々に回復が見込まれます。アフターコロナでも、コロナ禍における多くのトレンドは継続が見込まれます。デリバリー、テイクアウト、1人喫食、キャッシュレス、テレワーク需要などについては、引き続き対応・強化することで、アフターコロナまで見据えた施策となると考えられます」。
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。世界13か国で実施。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
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