＜外食・中食 調査レポート＞2021年8月の市場動向、外食・中食売上は2019年同月比27.3％減、出前（デリバリー）は2019年同月比36％増
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社（東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表）は、外食・中食市場2021年8月の動向分析レポートを2021年10月7日に公表します。
本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2021年8月の外食・中食市場は、2019年8月比で売上が27.3％減少し、前月比7.4ポイント減でした。全業態計イートイン売上は8月に同50.2％減で、前月比7.5ポイント減でした。出前は、8月の売上が2019年同月比で36％増とプラス成長が続いています。
外食・中食市場の2021年8月は、売上27.3％減（2019年同月比）
外食・中食市場全体の2021年8月の2019年同月比（図表1）をみると、売上（金額市場規模）が27.3％減少、客数（食機会数）が17.1％減少しました。感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模前年同月比41.9%減でした。2020年10月には8.9％減まで回復したものの、その後の感染拡大で再び悪化しました。2021年は1月26.3%減、2月24.4％減、３月21.9%減、４月23.7％減、5月26.3％減、6月は27.6％減、7月は19.9％と前月比でやや改善したものの、8月は27.3％減（いずれも2019年同月比）と、再び悪化しました。8月はデルタ株により感染者数が爆発的に増え、緊急事態宣言対象地域が前月は東京・沖縄と限定的だったのが、8月末には21都道府県まで拡大したことが要因となりました。
全業態計イートインは50.2％減で、前月より7.5ポイント増
業態別・利用形態別の8月の売上2019年同月比をみると（図表２）、外食・中食全体のイートインは50.2％減で、前月より7.5ポイント減でした。業態別では、FF+セルフカフェのイートインは同37％減、ファミレスのイートインは同48％減、居酒屋のイートインは同87％減、その他のフルサービスレストランのイートインは同51％減でした。テイクアウト・出前は、FF+セルフカフェで同40％増と、18カ月連続の2桁成長となりました。
出前（デリバリー）は36％増で、プラス成長が続く
外食業態計（レストラン計）の売上2019年同月比を利用形態ごとにみてみると（図表３）、出前（デリバリー）の大幅増が続いています。デリバリー増加のピークは2020年5月の204%増ですが、その後も2ケタ増が続き、特に2021年2月（132％増）、同5月（159％増）、同7月（181％増）の伸びは大きく3ケタ増となりました。2021年8月は36％増（いずれも2019年同月比）でした。
エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストである、東さやか（あずま・さやか）は、今後の展望について、次のように話します。「第5波では、これまでのレベルをはるかに超える感染者増大と、緊急事態宣言対象地域の拡大で、市場は後退、市場回復への期待が遠のいた状態になりました。しかし、日本のワクチン接種率は9月末に6割弱にまで達し、10月から緊急事態宣言とまん防がほぼ半年ぶりに全面解除されました。感染対策はこれまでと同様に必要ではあることを前提としたニューノーマル下での回復が期待されます。今後感染の再拡大が心配されるものの、前年の10月（外食・中食全体：売上9％減、外食業態14%減）程度までの回復は年内にあり得ると推測されます。また、今後もコロナ禍における多くのトレンド（デリバリーなど）は継続が見込まれます。コロナ前と同じ形での回復はありえないという前提で、リポジショニング（自店舗や商品のポジショニングをニューノーマルに合わせて再配置する）が必要でしょう」。
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。世界13か国で実施。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
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