<外食・中食 調査レポート>2021年9月の市場動向、外食・中食売上は2019年同月比28.8%減、出前(デリバリー)は2019年同月比109%増
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表)は、外食・中食市場2021年9月の動向分析レポートを2021年11月8日に公表します。
本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2021年9月の外食・中食市場は、2019年9月比で売上が28.8%減少し、前月比1.6ポイント減でした。全業態計イートイン売上は9月に同53.2%減で、前月比3.0ポイント減でした。出前は、9月の売上が2019年同月比で109%増とプラス成長が続いています。
外食・中食市場の2021年9月は、売上28.8%減(2019年同月比)
外食・中食市場全体の2021年9月の2019年同月比(図表1)をみると、売上(金額市場規模)が28.8%減少、客数(食機会数)が17.0%減少しました。感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模前年同月比41.9%減でした。2020年10月には8.9%減まで回復したものの、その後の感染拡大で再び悪化しました。2021年は1月26.3%減、2月24.4%減、3月21.9%減、4月23.7%減、5月26.3%減、6月は27.6%減、7月は19.9%とやや改善したものの、8月は感染が急拡大し、27.3%減と再び悪化、9月は酒類提供自粛で客単価が下がり、28.8%減(いずれも2019年比)とさらに悪化しました。
全業態計イートインは53.2%減で、前月より3.0ポイント減
業態別・利用形態別の9月の売上2019年同月比をみると(図表2)、外食・中食全体のイートインは53.2%減で、前月より3.0ポイント減でした。業態別では、FF+セルフカフェのイートインは同39%減、ファミレスのイートインは同47%減、居酒屋のイートインは同92%減、その他のフルサービスレストランのイートインは同53%減でした。テイクアウト・出前は、FF+セルフカフェで同53%増と19カ月連続のプラス成長で、前月よりも12.6ポイント増でした。
出前(デリバリー)は109%増で、プラス成長が続く
外食業態計(レストラン計)の売上2019年同月比を利用形態ごとにみてみると(図表3)、出前(デリバリー)の大幅増が続いています。デリバリー増加のピークは2020年5月の204%増ですが、その後も2ケタ増が続き、特に2021年2月(132%増)、同5月(159%増)、同7月(181%増)、さらに同9月も109%と伸びが大きく、3ケタ増となりました。
エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストである、東さやか(あずま・さやか)は、今後の展望について、次のように話します。「日本のワクチン接種率は10月末に7割弱にまで達し、新規感染者数は激減しました。10/25から時短要請やアルコール自粛は東京都などの一部の制限を除いて解除され、感染対策はこれまでと同様に必要ではあることを前提としたニューノーマル下での回復が期待されます。第6波が心配はされるものの、2019年比で10-15%減程度までの回復は年内に期待されます。その一方で、人手不足やニューノーマルに慣れた消費者の生活の変化で、需要も供給も戻るのに問題が生じており、コロナ前に“戻る”ことはないという前提での対策が必要と考えられます。今後は、GoToキャンペーンのような、人の行動を変化させるきっかけ・消費を喚起させる対策が効果だと考えられます。また、コロナ禍における多くのトレンドは、継続が見込まれ、デリバリー、テイクアウト、1人喫食、キャッシュレス、テレワーク需要などについては、引き続き対応・強化することで、アフターコロナまで見据えた施策となるでしょう。」
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。世界13か国で実施。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
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