<外食・中食 調査レポート>2022年1月、外食・中食売上は2019年同月比15.5%減、出前(デリバリー)は2019年同月比106%増
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表)は、外食・中食市場2022年1月の動向分析レポートを2022年3月9日に公表します。
本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2022年1月の外食・中食市場は、2019年1月比で売上が15.5%減少し、回復が後退しました。全業態計イートイン売上は1月に同34.0%減で、前月比7.0ポイント減でした。出前は、1月の売上が2019年同月比で106%増とプラス成長が続いています。
外食・中食市場の2022年1月は、売上15.5%減(2019年同月比)
外食・中食市場全体の2022年1月の2019年同月比(図表1)をみると、売上(金額市場規模)が15.5%減少、客数(食機会数)が13.1%減少しました。感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模前年同月比41.9%減でした。2020年10月には8.9%減まで回復したものの、その後の感染拡大で再び悪化しました。2021年は1月26.3%減、2月24.4%減、3月21.9%減、4月23.7%減、5月26.3%減、6月は27.6%減、7月は19.9%とやや改善したものの、8月は感染が急拡大して27.3%減と再び悪化、9月は酒類提供自粛で客単価が下がり、28.8%減とさらに悪化しました。10月に全都道府県で緊急事態宣言が解除され12.1%減、11月12.0%減、12月10.7%減と横ばいでした。年明け後、オミクロン株によって感染が急拡大したため、1月末までにまん延防止等重点措置が34都道府県下に適用となり、2022年1月は15.3%減と回復が後退しました。
全業態計イートインは34.0%減で、前月より7.0ポイント減
業態別・利用形態別の1月の売上2019年同月比をみると(図表2)、外食・中食全体のイートインは34.0%減で、前月より7ポイント減でした。業態別では、FF+セルフカフェのイートインは同21%減、ファミレスのイートインは同29%減、居酒屋のイートインは同61%減、その他のフルサービスレストランのイートインは同35%減でした。テイクアウト・出前は、引き続きFF+セルフカフェが好調で同52%増、その他フルサービスでは同38%増と増えました。
出前(デリバリー)は106%増で、プラス成長が続く
外食業態計(レストラン計)の売上2019年同月比を利用形態ごとにみてみると(図表3)、出前(デリバリー)の大幅増が続いています。デリバリー増加のピークは2020年5月の204%増ですが、その後も2ケタ増が続き、特に2021年2月(132%増)、同5月(159%増)、同7月(181%増)、さらに同9月も109%と伸びが大きく、今月(2022年1月)も106%と3ケタ増となりました。
エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストである、東さやか(あずま・さやか)は、今後の展望について、次のように話します。「3月21日まで18都道府県でまん延防止措置が延長され、感染者も依然多いため回復は一時停滞すると考えられます。しかしながら、3月から5-11才へのワクチン接種と59才以下の3回目接種が前倒しで進むことや、感染拡大のピークは過ぎたことなどから、消費者の心理は前向きになることが予測されます。今後、4月の新年度開始からGWに向けての消費喚起がキーになると考えられます。
また、コロナ禍におけるデリバリー、テイクアウト増加のトレンドは継続が見込まれます。少人数の友人とのホームパーティー需要は商機の1つになると考えられます。近場での娯楽・レジャーを取りこみも回復のきっかけとなりますし、イートインについては、おひとり様向けの施策、家族連れには外食の楽しみを提供できるサービス施策が有効でしょう。」
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。世界13か国で実施。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
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