<外食・中食 調査レポート>2022年4月、外食・中食売上は2019年同月比12.8%減、出前(デリバリー)は2019年同月比49%増
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表)は、外食・中食市場2022年4月の動向分析レポートを2022年6月8日に公表します。
本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2022年4月の外食・中食市場は、2019年4月比で売上が12.8%減で、回復基調が続きました。全業態計イートイン売上は4月に同28.3%減で、前月比7.5ポイント増でした。出前は、4月の売上が2019年同月比で49%増とプラス成長が続いています。
外食・中食市場の2022年4月は、売上12.8%減(2019年同月比)
外食・中食市場全体の2022年4月の2019年同月比(図表1)をみると、売上(金額市場規模)が12.8%減少、客数(食機会数)が12.1%減少しました。感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模前年同月比41.9%減、2020年10月には8.9%減まで回復したものの、その後の感染拡大で再び悪化しました。2021年は1月26.3%減、2月24.4%減、3月21.9%減、4月23.7%減、5月26.3%減、6月は27.6%減、7月は19.9%とやや改善したものの、8月は感染が急拡大して27.3%減と再び悪化、9月は酒類提供自粛で客単価が下がり、28.8%減とさらに悪化しました。10月に全都道府県で緊急事態宣言が解除され12.1%減、11月12.0%減、12月10.7%減と横ばいでした。年明け後、オミクロン株によって感染が急拡大しまん延防止等重点措置(以下、まん防)が適用され、2022年1月は15.3%減、2月はまん防の適用地域拡大・延長となり21.5%減、3月は21日をもって全地域でまん防が解除となり18.3%減、4月は3年ぶりに制限のない大型連休を月末に迎えて、同12.8%減と回復基調が続きました。
全業態計イートインは28.3%減で、前月より7.5ポイント増
業態別・利用形態別の4月の売上2019年同月比をみると(図表2)、外食・中食全体のイートインは28.3%減で、前月より7.5ポイント増でした。業態別では、FF+セルフカフェのイートインは同17%減、ファミレスのイートインは同29%減、居酒屋のイートインは同52%減、その他のフルサービスレストランのイートインは同25%減でした。テイクアウト・出前は、引き続きFF+セルフカフェが好調で同46%増、ファミレスでは同40%増でした。
出前(デリバリー)は49%増で、プラス成長が続く
外食業態計(レストラン計)の出前(デリバリー)売上2019年同月比をみると(図表3)、プラス成長が続いています。デリバリー増加のピークは2020年5月の204%増ですが、その後も2ケタ増が続き、特に2021年2月(132%増)、同5月(159%増)、同7月(181%増)、さらに同9月も109%と大きく伸びました。年が明けて、まん延防止等重点措置適用下だった2022年1月は106%増、2月は152増%と2ヶ月連続で3ケタ増となり、4月は49%増でした。
エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストである、東さやか(あずま・さやか)は、今後の展望について、次のように話します。「3年ぶりの規制のないゴールデンウイーク後、職場の出勤は増加しており、感染拡大も抑えられている状況です。6月からは、外国人観光客の受け入れや東京都の旅行割引施策などもスタートし、観光やレジャーの人出が回復することが見込まれます。その一方で、コロナ禍で変化した消費者行動は、コロナ前に戻るということは考えにくく、今後も、テイクアウト、レトルト食品、冷凍食品、総菜増加のトレンドは、継続が見込まれます。回復する近場での娯楽・レジャー、家族連れの取りこみ、おひとり様向けの施策も有効だと考えられます。」
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。世界13か国で実施。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
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