<外食・中食 調査レポート>値上げの影響で、アメリカでは小売店利用の食事が増加、飲食店の利用は減少へ、NPD-IRI合併後の初共同分析
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表)は、アメリカの外食・中食市場に対する値上げの影響分析レポートを2022年9月1日に公表します。
本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。アメリカでは、値上げの影響を受け、消費者は、食事全体への支出上昇を相殺するために、家でより多くの食事をし、レストランの利用を減らしていることを、8月に合併した、Information Resources, Inc. (IRI ® ) とThe NPD Group (NPD)の初めての共同分析で明らかにしました。
アメリカの2022年外食・中食・内食全体市場規模は約1.5 兆ドルで、前年比で8%
8月に合併した、Information Resources, Inc. (IRI ® ) とThe NPD Group (NPD)の初めての共同分析によると、2022年のアメリカにおける外食・中食・内食全体の市場規模(家庭での食事と、家庭以外での食事の合算)は、約 1.5 兆ドルで、前年同期比で8%成長すると予測されています。また、2023 年に3-5% 成長すると予測しています。この分析では、外食・中食・内食を含めた食料品全体市場の史上初の包括的なビューを提供し、消費者が家庭で食品を購入して消費する方法、レストランやフードサービス店を使用する方法を調査し、現在のインフレでお金を節約するための消費者の行動に関する新しい洞察を明らかにします。
アメリカのインフレ率は、家庭での食事で13.1%増、家庭外での食事で7.6%増
米国労働統計局の消費者物価指数(2022 年 7 月)によると、アメリカにおけるインフレ率は、家庭での食事は前年同月比13.1%増、家庭外での食事は、同7.6%増でした。 家庭外での食事のインフレ率は家庭での食事より緩やかですが、外食の価格は、小売店で購入した家庭での食事の 3.4 倍であることから、食事全体への支出上昇を相殺するために、消費者は家でより多くの食事をし、レストランの利用を減らしています。
飲食店の利用は、7月に客数3%減
米国では、現在、ハイブリッドで柔軟な勤務スケジュールにより、最大 2,000 万人の労働者が在宅勤務を行うことができる状況にあります。食事全体への支出のうち、家庭での食事は62.5%、飲食店への支出は37.5%を占めていますが、在宅勤務の継続により、この比率は維持されると考えられます。
また、消費者はプレミアム ブランドよりもメジャーブランドやバリューブランドを好み、プライベートブランドの食品を選び、時にはプレミアム製品を手頃な価格の贅沢品として購入しています。
消費者は支出の上昇を相殺するために家庭での食事に移行しており、これは 7 月に飲食店の客数が 3%減少したことからもわかります。また、飲食店の利用でも、フルサービスレストランよりも、お手頃なクイックサービスレストランの利用にシフトしています。
高所得世帯がプレミアム製品を好み、低所得世帯がバリュー製品を好むため、市場の二極化が激化しています。市場の成長は高所得世帯によって促進されます。
NPDとIRIの消費財・小売ソートリーダーシップの責任者であるDr. Krishnakumar (KK) Daveyは、次のように話します。「7 月にインフレ率が 8.5% に達したため、特に外食の際に、消費者がより低価格のオプションにシフトし、より多くの価値を選択するのは当然のことです。パンデミックと最近のインフレ圧力が需要をシフトさせましたが、価値、利便性、家庭での楽しみを提供するレストランは、消費者にとって重要であり、成長し続けるでしょう。」
NPDのフード/フードサービス担当シニアバイスプレジデント兼業界アドバイザーである David Portalatinは、次のように話します。「食料品価格も値上げされているとはいえ、外食は家で食べるよりもはるかに高価です。しかしながら、2023年に向けて、利用数がパンデミック前のレベルに戻り始めるため、レストランの回復はゆっくりと着実に進むでしょう。」
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。世界13か国で実施。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
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