<外食・中食 調査レポート>2022年10月、外食・中食売上は2019年同月と同水準まで回復、インフレによる客単価の大幅増が寄与
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表)は、外食・中食市場2022年10月の動向分析レポートを2022年12月6日に公表します。
本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。2022年10月の外食・中食市場の売上がコロナ前の2019年同月と同水準まで回復しました(2019年同月比0.3%減)。客数は同7.5%減、客単価は同7.8%増でした。全業態計イートイン売上は10月に同12.2%減で、前月比11.6ポイント増でした。出前は、10月の売上が2019年同月比で145%増でした。
外食・中食市場の2022年10月は、売上0.3%減(2019年同月比)
外食・中食市場全体の2022年10月の2019年同月比(図表1)をみると、売上(金額市場規模)が0.3%減、客数(食機会数)が7.5%減でコロナ禍以降最も回復し、客単価はインフレの影響で上昇しました(同7.8%増)。感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模前年同月比41.9%減でした。2020年10月に9%減まで回復したものの、その後2021年1月、4月、7月の緊急事態宣言で20-39%減の状態が続きました。2021年9月末に緊急事態宣言が解除、12月には10.7%減まで回復しました。2022年は、まん延防止等重点措置(以下、まん防)が適用され、2月は21.5%減まで落ち込みました。3月に全地域でまん防が解除され、3年ぶりに規制のない大型連休で始まった5月は同7.7%減まで回復しました。しかし、感染拡大第7波で、7月は同7.9%減、8月は同13.0%減と後退、9月は同9.9%減でした。10月は全国旅行支援開始など、消費活動が活発化し、同0.3%と2019年同月と同水準まで回復しました。
全業態計イートインは12.2%減で回復が進む
業態別・利用形態別の10月の売上2019年同月比をみると(図表2)、外食・中食全体のイートインは同12.2%減で、前月より11.6ポイント回復しました。業態別では、ファミレスの売上が同2%増で、回復しました。
出前(デリバリー)は2019年同月比145%増
外食業態計(レストラン計)の出前(デリバリー)売上2019年同月比をみると(図表3)、プラス成長が続いています。デリバリー増加のピークは2020年5月の204%増ですが、その後も2ケタ増が続き、10月は同145%と大幅に伸びました。
エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストである、東さやか(あずま・さやか)は、今後の展望について、次のように話します。「全国旅行支援の開始や、東京都でのGoToEatキャンペーンの2年ぶり再開、外国人観光客の受け入れ拡大などで、10月以降、消費活動が活発になっています。しかしながら、12月から感染第8波に入り、さらに値上げの影響もあり、巣ごもり消費へ向かう可能性もあります。年末年始で、忘年会・新年会の需要への影響が懸念されますが、前年よりは需要が回復する見込みです。夜の大人数の宴会などの需要は、今後も戻りが鈍いことが見込まれますが、少人数や昼の忘年会などは再開する人が増加し、ホームパーティーの需要取り込みにも商機があるといえます。」
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。世界13か国で実施。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
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