<外食・中食 調査レポート>2023年1月、外食・中食の売上は2019年同月比3.6%減、節約志向で客数は減少
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表)は、外食・中食市場2023年1月の動向分析レポートを2023年3月7日に公表します。
本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。2023年1月の外食・中食市場の売上は2019年同月比3.6%減でした。1月の客数は同10.0%減、客単価は同7.1%増でした。全業態計イートイン売上は2023年1月に同16.4%減で、前月比0.9ポイント増でした。出前は、1月の売上が2019年同月比で119%増でした。
外食・中食市場の2023年1月は、売上3.6%減(2019年同月比)
外食・中食市場全体の2023年1月の2019年同月比(図表1)をみると、売上(金額市場規模)が3.6%減、客数(食機会数)が10.0%減、客単価は7.1%増でした。感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模前年同月比41.9%減でした。2020年10月に9%減まで回復したものの、その後2021年1-9月は20-39%減の状態が続きました。2022年は、まん延防止等重点措置(以下、まん防)が適用され、2月は21.5%減まで落ち込みました。3月に全地域でまん防が解除され、3年ぶりに規制のない大型連休で始まった5月は同7.7%減まで回復しました。しかし、感染拡大第7波で、7-9月は後退しました。10月はインフレの影響で客単価が大幅に上昇して2019年同月と同程度まで回復し、12月は同3.8%減でした。2023年1月は外食業態で客足の回復が進みましたが、インフレで節約志向が進み、スーパーで客数が減少した影響で、客数同10%減と2022年11月と同程度まで後退しました。
全業態計イートインは16.4%減と前月と同水準
業態別・利用形態別の2023年1月の売上2019年同月比をみると(図表2)、外食・中食全体のイートインは同16.4%減と、前月と同水準でした(前月比0.9ポイント増)。テイクアウト・出前は、FF+セルフカフェ(2019年同月比61%増)が引き続き好調でした。
出前(デリバリー)は2019年同月比119%増
外食業態計(レストラン計)の出前(デリバリー)売上2019年同月比をみると(図表3)、プラス成長が続いています。デリバリー増加のピークは2020年5月の204%増ですが、その後も2ケタ増が続いています。2023年1月は3か月ぶりに3桁増で、同119%増でした。
エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストである、東さやか(あずま・さやか)は、今後の展望について、次のように話します。「2023年3月13日以降、マスク着用は個人の判断に委ねられ、消費者の行動は、より活発になり、日常へ戻り、外食利用の回復を後押しすることが考えられます。一方で、値上げが依然相次ぎ、今後も予定されていることから、生活防衛としての節約志向がより進むと考えられます。値上げの影響で2023年上半期に売上は2019年レベルに戻ることが予測されますが、客数は回復が鈍いと考えられます。市場全体で、値上げが進む中、消費の2極化~1)収入や世帯構成による2極化2)ケとハレ、またはメリハリ消費による2極化~が進むとみられそれぞれに向けた施策が必要です。」
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。世界13か国で実施。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
調査データの転載・引用について
本件で公開されている資料につきましては、ご使用用途によりますが、出典元を明記していただければ、基本的にご利用いただけます。
表記は「NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ」でお願いいたします。
ご使用前には必ず下記の問い合わせ先までご一報ください。
また、ご使用後は、転載先のコピーやURLをご送付ください。
お問い合わせ先
本内容につきましては、下記よりお問い合わせください。