震災後の外食・中食市場 ~客足は順調に回復~
【東京、2013 年 6 月 17 日】 2011 年 3 月に発生した東日本大震災(以下、震災)。社会生活にも大きな影響を与えた震災から 2 年が経過したが、その後の外食・中食市場はどのように変化しているのか。エヌピーディー・ジャパン㈱が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST*https://www.npdjapan.com/service/food.html』探ってみる。
震災発生時から、客足は順調に回復
図表 1 は、過去 2 年間の外食・中食市場全体の食機会数の増減である。2010 年 3 月期の食機会数を 100とした場合、震災発生時の 2011 年 3 月期には 92(指数)と大きくマイナスであった。しかしながら、今年 3 月期には 102 と、客足は順調に回復してきていることが分かる。
【図表 1】 |
エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より |
客足が好調な朝食、昼食、夕食市場
では、いずれの時間帯においても回復傾向にあるのか。図表 2 は、2010 年 3 月期を 100 とした場合の各時間帯における、食機会数の増減である。震災発生時は、全ての時間帯で前年同月を下回ったものの、1 年後の2012 年 3 月期には「朝食」(指数 102)および、「昼食」(同 102)、「夕食」(同 102)で、震災前の水準を取り戻した。そして今年 3 月期では、引き続き「朝食」「昼食」「夕食」での客足は好調であった。一方、「間食」はというと、震災発生時の 2011 年 3 月期(同 88)より高くはなったが(同 93)、依然として 2010 年 3 月期を下回っていることが分かる。
【図表 2】 |
エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より |
平均客単価が好調な間食、夕食市場
一方、平均客単価には変化が起きているのだろうか。図表 3 は図表 2 同様、2010 年 3 月期を 100 とした場合の各時間帯における、平均客単価の増減である。これをみると、客足の下降で不調基調であった「間食」のにおいて、平均客単価が伸長していることが分かる(指数 108)。また、「夕食」も震災前の水準に戻っており(同 101)、食機会数、平均客単価ともに順調で、もっとも回復が進んでいる時間帯であると推測できる。
【図表 3】 |
エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より |
震災から 2 年が経過し、客足の回復傾向が続いていることは前述した通りである。一方で、平均客単価は、
まだ震災前の水準に達していない時間帯もある。現在、各チェーンも様々な客単価向上の策を凝らしており、日本の経済状況が上向き始めた今、外食・中食市場全体の回復を宣言するまで、そう時間がかからないかもしれない。
* CREST とは
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1 年365 日、直接消費者から収集し、年間13 万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。(海外各国版もご用意)
詳細は https://www.npdjapan.com/service/food.html