コンビニエンスストア スイーツ市場 ~男性需要の掘り起こしがカギ?~
【東京、2013 年7 月22 日】 外食・中食市場のトレンドのひとつとして、数年前からコンビニエンスストア(以
下、CVS)各社がデザート類に注力し、スイーツブームをうみ出した。特に女性は一度は足を運び、本格的なデザートを購入した経験があるのではないだろうか。今回のレポートでは、そのCVS デザート市場に関して、エヌピーディー・ジャパン㈱が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST※1』から探ってみる。
CVS デザート市場のマイナスが顕著
まず、CVS におけるデザートの食機会数の変化をみてみる。図表1 は、CVS 全体とCVS デザート市場の食機会数成長率※2 であるが、全体と比べてデザートの食機会数の減少が顕著であり(-5.8%)、デザート類が苦戦していることが分かる。
【図表 1】 |
エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より |
「アイス・氷菓類」「プリン」は健闘
次に、CVS におけるデザートメニューの動向に変化はあるのだろうか。図表2 は各デザートメニューの出現
回数である。前年同期と比較すると、上位3 メニューの出現回数は減少傾向にある。一方、ほぼ横ばいではあるものの、「アイス・氷菓類」(+0.3 回)、「プリン」(+0.1回)が健闘している。
【図表 2】 |
エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より |
男性、特に若者のシェアが高まっている
では、「アイス・氷菓類」、「プリン」がCVS デザート市場全体に反してプラス成長した要因を考えてみる。これ
らのメニューが含まれる食機会における、性・年齢構成比を、直近1 年と前年同期で比べてみる(図表3)。どちらのメニューにも共通した特徴は、男性のシェアが高くなっていることである。「アイス・氷菓類」では+4.6 ポイント、「プリン」は+3.1 ポイントと男性シェアの上昇がみられる。また、その内訳では、男性15~29 才のシェアが高くなっていることが分かる(「アイス・氷菓類」+2.8 ポイント、「プリン」+2.9 ポイント)。
【図表 3】 |
エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より |
少し前までは、「男性が甘いものなんて…」という雰囲気があったが、ここ数年は『スイーツ男子』という言葉も流行り、今では定着したと言えるだろう。CVS デザート市場においては、スイーツ男子に向けて既に商品を販売している企業もあるが、今回の考察から、このターゲット層へのアプローチは商品購買につながることが分かった。今まで以上に、男性に購入されるような商品を一層洗練させること、また現在、男性向けの商品がない分野においては、そのデザートを開発し、販売することがCVS の売上アップに貢献するかもしれない。
*1 CREST とは
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1 年365 日、直接消費者から収集し、年間13 万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。(海外各国版もご用意)
詳細は https://www.npdjapan.com/service/food.html
*2 当該データにおける成長率とは、以下の計算式で算出
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/昼/夕/間食)数