カレーライス市場 ~成長するFF、FR業態のキーユーザーは?~
【東京、2014年4月22日】 日本の国民食の一つも言われる「カレーライス(以下、カレー)」。日本人のカレー好きは世界的にみても特徴的で、2013年1月CoCo壱番屋が「一週間で151万4,026食のカレーを販売」しギネス世界記録TMを打ち立て、同時に「世界で最も大きいカレーレストランのチェーン店」としてもギネス世界記録TMに認定されたというプレスリリースを発表した。日本のカレーは世界的メニューといえるのかもしれない。
今回のレポートでは、このカレーのトレンドについてエヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST*1』から探ってみる。
カレーの食機会数*2は伸びている
はじめに、外食・中食市場におけるカレーの食機会数の伸び率を2009年と2013年で比較してみる(図表1)。
【図表1】 2013 年 外食・中食市場 カレーライスの食機会数の伸び率 |
エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より |
2013 年における外食・中食市場の食機会数の伸び率(2009年比)をみると、メニュー全体の伸び率はほぼ横ばい(-0.4%)の一方で、カレーの伸び率は+11%で食機会が伸びていることがわかった。またカレーの外食中食比率に注目すると2009年74.6%から2013年は75.6%と増加傾向で、もともと外食で食される事が多いメニューであったが、一層その傾向が強まっていることが分かる。
カレーは夕食の食機会が伸長
では外食市場で、カレーはいつ食べられているのだろうか。図表2は、外食市場におけるカレーの食機会別*3シェアを2009年と2013年で比較したものである。
【図表2】 外食市場 カレーライスの食機会別シェア |
エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より |
2013年の外食におけるカレーの食機会別シェアをみると、昼食の比率が69.1%と最も高い。しかしながら2009年と比較すると、昼食のシェアは-3.4ポイント減少した。かわりにシェアを伸ばした夕食は+2.3ポイント伸ばし27.6%のシェアを占めている。カレーは、夕食で外食される機会が増えているようだ。
さらに、外食でカレーを食べる傾向を男女別でみると男性比率が70%超と圧倒的に高いが、夕食に特化してみると女性比率が5年前から+3.6ポイント伸びていることは興味深い。夕食時にカレーを外食する女性が、外食・カレー市場の食機会増の一因といえよう。(特典データ)
女性がファミレスでカレーを食べる機会が増えている。
食機会数を増やしたカレーは、夕食市場で女性利用率が伸びたことがわかったが、それでは女性は外食でカレーを食べる時にどんな業態を選んでいるのだろうか。
図表3は外食・カレー市場における夕食の業態別トレンドを2009年と2013年で比較したものである(図表3)。
【図表3】 外食カレー市場 夕食の男女別 業態シェア |
エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より |
2013年の外食カレーの夕食市場全体では、「カレー系FF」が32.1%と最もシェアが高く、「洋風FR(14/.5%)」「牛丼系FF(13.9%)」と続く。男女別にみると、女性は「洋風FR」の比率が25.8%と高いことが特徴で直近5年で+18.3ポイントと大きく伸びた。一方男性は、「カレー系FF」が39.5%と圧倒的に高く、次いで「牛丼系FF(16.3%)」の割合が高い。
カレーが特に男性に好まれるのは、早く食べられる手軽さや、香辛料や辛みがやみつきになる常用性、スタミナの源になること等がポイントのように感じる。一方でカレーの懸念点としては、高カロリーになりがちで栄養バランスが気になる点が思い浮かぶが、この点は女性にとっては気になるところではないだろうか。
その中で最近では、健康に意識して野菜やスパイスの豊富に入ったメニューも増えていたり、ファストフードだけでなくファミレスでゆっくりとカレーを楽しむこともできる環境が、女性のカレーの食機会増加につながっているのかもしれない。
*1 CREST とは
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1 年365 日、直接消費者から収集し、年間13 万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。(海外各国版もご用意)
詳細は https://www.npdjapan.com/service/food.html
*2 食機会数とは
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/昼/夕/間食)数
※業態について
CRESTでは外食・中食市場のあらゆる業態をカバーしておりますが、本記事ではテーマに沿った6業態を抽出して分析しています。