喫食実態の地域間比較 ~店舗選びは立地を重視する首都圏~
【東京、2014年12月09日】 2014年4月に消費税が5%から8%となり、メディアでは増税後の消費回復が鈍いと伝えられる。中でも地方では客足の戻りが遅く、景気の地域間格差が報じられている。
今回のレポートでは、その地域間の外食・中食利用実態の共通点と相違点について、エヌピーディー・ジャパン(株)の新刊レポート『第1回 地域レポート*1(2014年1~6月)』からいくつか挙げてみる。
最もシェアが高いのは首都圏
まず、外食・中食市場の地域構成比をみてみる(図表1)。
【図表1】 外食・中食市場の地域構成比 |
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首都圏が最も高い食機会シェアで32%を占める。金額ベースのシェアになると、その比率はさらに高まり、35%であった。総務省が2013年10月に発表した15-79歳における人口構成比と金額ベースとを比較すると、首都圏が外食・中食市場に大きな影響を与えているかがわかる。
地域間の業態シェアに大きな違いはみられない
次に、消費者が利用する業態に地域間で何か特徴はあるだろうか。地域別の業態シェアをみてみる(図表2)。
【図表2】外食・中食市場 地域別 業態*2シェア |
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結果、どの地域においても「小売(CVS、スーパー、弁当・惣菜店、露店、キオスク・ドリンク専門店、その他小売店を含む)」のシェアが最も高く、50%以上を占めていることがみてとれた。また、地域間で構成比を比較してみると、大きな違いはなく、ある程度似た業態構成になっていることがわかる。
一方で、「小売」の内訳をみてみると、首都圏において「スーパーマーケット」の割合が他地域に比べ低くなっており、これは大きな特徴と言えるだろう(特典データ)。
首都圏は「店舗の立地」を重要視
最後に、外食・中食で店舗を選択する際キーとなっている動機に地域間で顕著な特徴があるか探ってみると、店舗選択の理由はどの業態においても「便利な立地だから」の割合が最も高いことがわかった。
また、地域間で比べると、首都圏ではどの業態においても「便利な立地だから」の割合が他地域より高いことが分かる。首都圏の人にとっては、利便性が店舗選択に重要な指標の一つであることがみてとれる(図表3)。
【図表3】地域別 店舗選択理由「便利な立地」の割合 |
所得格差、失業率格差などから発生する地方間格差。これに加え、本レポートのように外食中食喫食者の思考や行動を理解することが、今後の出店戦略やメニュー・商品戦略に大きく役立つに違いない。
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特典データ 「外食中食市場 地域別 詳細 業態シェア (2014年1-6月)」 を無料でご提供いたします。ご希望の方は下記お問合せ先までご連絡下さい。
*1 外食・中食市場 四半期トピカルレポート 「地域レポート」とは
NPD の外食・中食情報サービス『CREST*3』を用いて、地域間で、業態・メニュー・消費者の喫食実態を時系列で比較しトレンドを理解するレポートサービスです。日本全国を6地域 (北海道・東北、首都圏、中部・北陸・北関東、近畿、中国・四国、九州・沖縄) に分割し、業態別に分析しています。
*2 業態分布について
・クイックサービスレストラン: ファストフード業態および、パン屋・ベーカリー・カフェ業態
・フルサービスレストラン: 居酒屋業態、ファミリーレストラン業態および、その他レストラン業態
・小売: コンビニエンスストア業態、弁当・惣菜専門店業態、スーパー業態、キオスク・ドリンク専門店など
*3 CRESTとは
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1 年 365 日、直接消費者から収集し、年間 13 万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。(海外各国版もご用意)
詳細:https://www.npdjapan.com/solutions/food/