コーヒー市場~CVSカウンターコーヒーのメインユーザーは働く男性 ~
【東京、2014年12月26日】 2013年からコンビニ大手セブン-イレブンが1杯100円の淹れ立てコーヒーの販売を始めて以来、カウンターコーヒーが注目を集めている。同社のカウンターコーヒーは2014年度累計販売数が5億杯超えるヒット商品となり、競合各社はもちろん外食業態各社からもその躍進は注目されている。
今回のレポートでは、全国のカウンターコーヒー市場についてエヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST*1』から探ってみる。
コーヒーは、中食比率が高いドリンクメニュー
コーヒーは、ソフトドリンクメニュー内の比率の中でも最もシェアが高いドリンクである。2014年外食・中食市場でソフトドリンク全体におけるメニュー比率をみると「コーヒー」は21.9%と最も高く、「日本茶(緑茶、ほうじ茶等)」が19.9%と続く。では、消費者に人気のコーヒーはどのような機会に選ばれているのだろうか。
【図表1】 ソフトドリンクメニューの外食中食比率 |
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まず図表1をみると、ソフトドリンク全体は7:3で中食が多い。中でもコーヒー2メニューを比べると、コーヒーはカプチーノ系と比べても中食(テイクアウト)比率が高い傾向で、最も利用される業態はコンビニであった。近年コンビニ各社が力を入れている「カウンターコーヒー」の影響が伺える。
コンビニのコーヒーは、缶の次に「手淹れ」
テイクアウトコーヒーのシェアが最も高いコンビニにおいて、このカウンターコーヒーのシェアはどれ程だろうか。図表2は中食・コンビニ市場におけるコーヒーのパッケージ構成比である(図2)。
【図表2】中食・CVS市場 コーヒーメニューのパッケージ構成比率 |
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コンビニのコーヒーで最も多く購入されるのは「缶(28.6%)」で「手淹れ(20.6%)」が続き、この2種類が全体の約半数を占めている。一方、カプチーノ、カフェラテ、カフェオレメニューは、半数弱が市販の紙カップで購入されているのが特徴だ。カウンターコーヒーは2013年頃から注目され始め、今や缶コーヒーと肩を並べる程消費者に選ばれていることがわかる。
さらにCRESTデータの中でコンビニのカウンターコーヒーが購入後どこで飲まれているのかを調べると、最も多いのが「車の中(37.5%)」、次いで「職場で(28.1%)」という結果で、車の運転中や働く消費者に利用される傾向であったことも興味深い結果であった(特典データ)。
手淹れコーヒーは30~50代の男性に選ばれている
これまでの分析から、中食・コンビニ市場におけるコーヒーの主流は缶とカウンターコーヒーで、特に最近注目されるカウンターコーヒーは車内や職場で飲まれていることがわかった。ではコンビニのカウンターコーヒーは、いつ・誰に購入されているのだろうか。
【図表3】 CVS市場 カウンターコーヒーの性年代構成比 |
コンビニのカウンターコーヒー購入者の性年代構成比をみると(図表3)、男性比率が6割で、その中でも特に男性30~50代の比率が、同年代女性と比較して高い傾向であることが特徴である。
時間帯別では間食マーケット(14-17時台)のシェアが最も高く、朝食マーケット(6~10時台)が続いている。コンビニのカウンターコーヒーは、働く30~50代男性が出勤前やランチ後にテイクアウトするシーンで選ばれているようだ。
コンビニでセルフ式で買えるという手軽さと、カフェチェーンのテイクアウトと比較した時の値ごろ感が、働く男性の心をうまく掴んだのかもしれない。
全日本コーヒー協会の調査では、2013年のコーヒー国内消費量は前年比4.3%増の44万6千トンで過去最高となっており、コンビニコーヒーの成長も貢献しているようだ。近年ではスーパーや牛丼チェーンでもカウンターコーヒーをはじめるなど、まさに業態の垣根を越えた顧客獲得合戦が繰り広げられている。
今後各社が、コーヒーをテイクアウトする消費者心理をいかに掴めるか引き続き注目したい。
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*1 CRESTとは
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。(海外各国版もご用意)
詳細は https://www.npdjapan.com/service/food.html
*2 アイテムベースとは
特定メニューが注文された回数をもとに分析したデータ
*3 食機会数とは
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/昼/夕/間食)数