ジーンズ購買動向~市場に浸透する低価格ジーンズ~
【東京2015年4月30日】 定番のファッションアイテムであるジーンズ。ファストファッションからハイブランドまで様々なショップやブランドで展開されており、幅広い年代に受容されている。定番でありながらも、そのシルエットやカラーにはトレンドがあり、消費者の嗜好も変化している。
今回のレポートでは、そのジーンズの購入実態について、エヌピーディー・ジャパン㈱の『Apparel Tracker*』から探ってみる。
市場規模1018億円のうち、半数は男性用ジーンズ
まず、日本におけるジーンズの市場規模は1018億円。その内訳をみると(金額シェア)、意外にも女性用よりも男性用の方がシェアが高く、50%をメンズジーンズが占めている(図表1)。
【図表1】ジーンズ市場規模とWearer別構成比 |
男女で大きく異なる購入価格帯
次に購入されているジーンズの価格帯をみてみよう(図表2)。市場全体では、バリュー(¥4999以下)が4割以上と最も高く、低価格ジーンズが市場に浸透している様子がうかがえる。
【図表2】Wearer別 購入価格帯比率 |
特長的なのは、この比率が男女で大きく異なっている点で、男性用はスーパープレミアム(¥10000~¥15999)が26%と高く、プレミアムも含めた高価格帯のジーンズの比率が高いのに対し、女性用はバリューが半数以上を占め、低価格品が購入されている。女性用の場合、プチプラと言われるようなリーズナブルな商品を提供するブランドが男性に比べて多い事や、男性よりも流行に敏感で、ひとつのジーンズを長く着用するというより、流行のスタイルを取り入れたい意識が高いため、リーズナブルな商品を購入している可能性が考えられる。
実際に、購入理由をみると、男性は色合い、価格、着心地が上位なのに対し、女性は、スタイル、色合い、着心地の順になっていて、スタイルが最も重視されている。
2015年春夏のトレンドとして例年以上に注目されているデニム。Wearer別のジーンズの購買行動の違いに着目すると、取るべき戦略のヒントが見えてくる。