外食・中食市場全体の売上は増加傾向。客数と客単価共に売上増に寄与。
【東京、2015年10月14日】2015年第2四半期のGDPは対前年同期比1.6%減と緩やかに続いていた景気回復は小休止。企業業績は過去最高水準にある一方で、円安による輸入単価の上昇により、個人消費の冷え込みが目立った。消費者物価指数が上昇トレンドを示していることからも、消費者にとって物価上昇が負担になっていることがわかる。このような経済環境の中、外食・中食市場はどのように動いたのだろうか。エヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST®*1』から探ってみる。
外食・中食市場全体の売上は前四半期同様に増加傾向。
外食・中食市場全体の2015年第2四半期の成長率をみてみる。売上は対前年同期比+4%と前期同様にプラス成長を記録した。第1四半期との違いは、客単価だけではなく、食機会数もプラス成長していることがあげられる。
出典:エヌピーディー・ジャパン㈱ CREST®より
CVSやスーパーマーケットなど、小売業態が市場の成長(食機会数*2)を牽引。ファミリーレストランもプラス成長。反対に、クイックサービスレストラン系業態は苦戦。
2015年第2四半期の食機会数成長を業態別にみてみると、対前年同期比でプラス成長している主要な業態として、CVS(シェア22%)、スーパーマーケット(シェア28%)とファミリーレストラン(シェア5%)があげられる。反対に、ファストフード・セルフサービス型カフェ(シェア8%)は前年同期と比べ、食機会数が減少。
景気の後退、円安や食品の輸入価格上昇により、消費者が客単価の低い業態に流れていることがうかがえる一方で、ファミリーレストランなど、高価格帯の業態は付加価値をつけて高価格商品を提供するなど、消費者を呼び込む施策が奏功していると言えるだろう。
出典:エヌピーディー・ジャパン㈱ CREST®より
景気回復が停滞している中でも、2015年第2四半期の外食・中食市場は前期含め、ゆるやかな成長トレンド。消費者も、消費税増税から1年が経ち、節約するところと豊かな食事の為にお金をかけるところを見極め、日々生活するようになってきたように見受けられる。今後、このような消費トレンドはどのように動いていくのか。外食・中食業態毎の動きや客単価の変化を注視する必要がある。
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態
データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。
(海外各国版もご用意)
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html
*2 食機会数
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/午前間食/昼/午後間食/夕/夜間食)数