外食・中食市場全体の売上は微減。昼食伸長も間食縮小。
【東京、2016年3月29日】2015年第4四半期のGDPは年率換算で1.1%減となり、暖冬による個人消費の落ち込みも影響して2四半期ぶりにマイナス成長でした。消費者物価指数は引き続き高い状態にもかかわらず、消費者態度指数は横ばいで、依然として消費者にとっては節約を余儀なくされる状況です。このような経済環境の中、外食・中食市場はどのように動いたのか、エヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST®*1』から探っていきます。
外食・中食市場全体の売上は微減
外食・中食市場全体の2015年第4四半期の成長率(図表1)をみると、売上は対前年同期比-1%と微減。第3四半期では食機会数、客単価共に横ばいで売上も横ばいだったが、今期は、客単価は引き続き横ばいであるものの、食機会数が減少したことが売上減につながった。売上を業態別にみると、FF(ファストフード)+セルフ型カフェ(セルフサービス型カフェ)とFR(ファミリーレストラン)、CVSで伸びた。なお、第3四半期では売上が横ばいだったFF(ファストフード)+セルフ型カフェ(セルフサービス型カフェ)においては、客単価が前期にも増して伸びたことが、売上増に寄与した。FRとCVSの売上は、引き続きプラス成長を維持している。
食機会数*2はFR、CVSで伸び
業態別の食機会数の成長率(図表2)をみてみると、対前年同期比でプラス成長している主要業態として、売上でも伸びが顕著だったFR(シェア4%)とCVS(シェア23%)の2業態が挙げられる。FRに関しては、前期は微減であった食機会数がプラス成長に転じた。一方で、客単価の上昇により売上を増加させたFF(ファストフード)+セルフ型カフェ(セルフサービス型カフェ)(シェア8%)では、客数は減少した。
昼食の伸び率が最も高く、間食機会は引き続き減少
食機会別の成長率(図表3)を見ると、第4四半期においては昼食における食機会数が最も伸びており、一方で間食機会は引き続き減少傾向である。消費者は必須ではない食機会である間食での出費を避けている傾向が表れている。また、最も伸びた昼食において食機会数を伸ばしたのがCVSやFFといった低価格業態であり、依然として消費者の節約志向が続いていることが分かる。このような消費者が外食・中食時に特に利用している間食以外の食機会に焦点を当てた施策は、2016年においてより重要になってくるかも知れない。
*1 CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態
データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。
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*2 食機会数
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/午前間食/昼/午後間食/夕/夜間食)数